旅する日々の記録

旅が大好き。毎日旅のことを考えています。最近は中学受験に役立ちそうな旅計画を意識しています。

カルティエー時の結晶展

国立新美術館で開催中のカルティエ展へ行ってきました。

金曜の夜、それほど混んでなく、一つ一つ丁寧に鑑賞することができました。

まず直感的に楽しめるのは、会場構成。

杉本博司氏の「逆行時計」を皮切りに、中へ進むとカルティエのミステリークロックやプリズムクロックが展示される時計の間に。一見、地下神殿に入ったかのように錯覚するような、白いに柱も見える白いヴェールの中に12の時計たちは一つずつ隠されるように陳列されています。序章であるこの時の間を抜け、展示は次の3章に。

  • 第1章:色と素材のトランスフォーメーション
  • 第2章:フォルムとデザイン
  • 第3章:ユニヴァーサルな好奇心 

それぞれの章にわたり、展示も創造的。春日杉を展示の背景に使用したり、トルソーは神代杉、神代欅、神代桂、屋久杉の4種を、また第2章では大谷石が井桁状に組まれた構造物も。これらの素材もまた新たな好奇心をくすぐるもの。奈良の春日杉、屋久島の屋久杉、宇都宮の大谷石、と産地に思いを馳せたり、太古から地中に埋もれていた神代木は、時空を超える美を想起させたり。

もちろん肝心の出品作品もそれはそれは夢のように素晴らしいものでした。

第1章ではプラチナなどの『メタルの技術』、「グリプティック」と呼ばれる硬い石に彫刻を施すなどの『石の技法』、「マルケトリ」と呼ばれる象嵌加工など『職人技と装飾技術』、バレエ・リュスに着想を得て広がった「ピーコック・パターン」や「トゥッティフルッティ(フルーツづくし)」などカルティエの『カラーパレット』が紹介されます。素晴らしい技術と宝石を堪能した後、日本の刀や掛け軸との融合を体験しながら、第2章に。

フォルムとデザインにフォーカスし『エッセンシャルライン/球体/ニューアーキテクチャー/オプティック/アクシデント/日常の中にある美』をテーマに大谷石の構造物に設置された展示ケースの中に置かれた作品の数々。「LOVE」ブレスレッドなど、比較的身近に感じる作品に計算された美を感じたり、立体的な造形美への驚いたり。

続いて、シダをモチーフにした美しいジュエリーと室町時代の掛け軸などが組み合わさった空間を抜け、第3章に。文化や自然からのインスピレーション、カルティエのタイムレスな象徴といえるパンテール(豹)、ルイ・カルティエが蒐集した世界中の資料の数々が展示された第3章の展示品は一部撮影も可能。もちろん私も撮影しました。

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撮影すると、違う角度で見たり、拡大して見たり、切り取って見たり、と新しい見方を楽しめます。

 無料の音声ガイドを聞きながら所要時間2時間弱の大満足の時間となりました。

カルティエー時の結晶』@国立新美術館 12月16日まで

 

プリズムクロックを作成する親子ワークショップもあるようです!