正倉院展
上野の国立博物館の企画展、
「正倉院の世界ー皇室がまもり伝えた美」へ娘と一緒に行ってまいりました。
まだ歴史は習ってませんが、なかなかお目にかかれる機会はないので。
日曜日の12時過ぎ、50分待ちでした。
気候もよく、日傘を貸し出してくれるなど、それほど苦痛ではない待ち時間。今回の企画展が開かれている平成館の中に入ると、1階のロッカー前に展示の紹介映像が。これがよくまとまり、全く知識のない娘にもわかりやすかったようです。
正倉院展はそもそも毎年秋、奈良で開催される恒例行事ですが、それも正倉院の扉自体が年一回、宝物の点検や調査のため開かれるから。今回は天皇の即位記念ということもあり、東京でも特別展として開催されています。
以下構成と主な展示物(入れ替え制のため後期展示のみ)です。公式HPのジュニアガイドもおすすめです→ジュニアガイド
- 平螺鈿背八角鏡:夜光貝(削るとあの螺鈿を作る光沢のある部分が出現する貝)の螺鈿細工を中心に花芯や花弁は琥珀、トルコ石が散りばめられている。素晴らしい一品。
- 海磯鏡:聖徳太子の命日にあたる2月22日を期して、光明皇后が法隆寺に捧げた鏡。
- 鳥毛篆書(てんしょ)屏風:君主の座右の銘を篆書体と楷書体で表し、篆書体には日本産の鳥の毛が使われており、日本で作られたことが分かります。「NHKスペシャル」でもやっていたとおり、正倉院の宝物はシルクロードからもたらされたイメージがありますが、宝物の90パーセントは日本で作られたものだということが分かってきたとか。
2. 華麗なる染織美
- 呉楽 呉女背子:東大寺の法会で演じられた楽舞の装束、赤色が見事。
- 紺夾纈絁几褥(こんきょうけちあしぎぬのきじょく):夾纈(きょうけち)というのは奈良時代に盛行した文様染めの一種で、板締めによる防染技術のこと。赤、青、黄の色が見事に残っている。
3. 名香の世界
- 蘭奢待(らんじゃたい)(黄熟香):沈丁花科植物に由来。未だに香りが残っているそうで、是非嗅いでみたいものです。蘭奢待の文字の中には東大寺の漢字が隠れています。織田信長、足利義政、明治天皇が切り取った後も残されています。
4. 正倉院の琵琶
- 紫檀木画槽琵琶:古代ペルシアに起源をもつ楽器で、馬に乗って狩りをする人物や酒宴の様子などが描かれています。背部の細工も見事。
- 螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)模造:五弦の琵琶では現存する唯一のもので、後期は模造品のみの展示となります。教科書で見たことがあるような懐かしさを感じます。こちらを模造する製作過程のVTRがあり、玳瑁(たいまい)や螺鈿の高い技術での細工を、それぞれの技術者が再現する様子を知ることができます。
5. 工芸美の共演
- 漆胡瓶:薄く切ったテープ状の木材を巻いた上から漆を塗り銀をはめ込み装飾を施している。ササン朝ペルシア由来。
- 白瑠璃碗:亀甲長の切子のような彫りが丹精に並ぶガラスの器。国立博物館所蔵の同時期のものと並べられており比較も楽しめます。
- 伎楽面 迦楼羅:伎楽で使用したお面。
6. 宝物をまもる
会場には宝物庫の一部を再現した模型も。思ったより高床でびっくりします。
「校倉造」(あぜくらづくり)など受験用語も。
おまけで、常設展の埴輪や土偶も。また次の機会にじっくりみたいものです。
庭園開放されていたのでここでお茶を飲みながら休憩。
秋晴れの良い一日でした。
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